刀剣意匠帖

時代から探す

時代を選ぶと、その時代を代表する刀と剣が見られます。中世の区分はヨーロッパ史のもので、日本の種類には日本の時代名も添えています。
  1. 古代

    前2000年–500年Antiquity

    刀剣の素材が青銅から鉄へ移っていった時代。エジプトでは鎌のように曲がった青銅のケペシュが王の武器として描かれ、ギリシャの重装歩兵は葉の形の両刃の剣を、ローマの軍団兵は短いグラディウスを、騎兵は長いスパタを腰に下げた。中国では春秋・戦国から漢にかけて両刃の剣の形が定まり、漢代には柄頭に輪の付いた片刃の環首刀が広まった。

    クシフォス / コピス / グラディウス / スパタ / 剣 / 環首刀 / ケペシュ

  2. 中世前期

    500–1100Early Middle Ages

    北の海のヴァイキングが、船で各地へ渡った時代。片手で握る両刃の直剣に幅の広い樋(ひ。刀身の溝)を通し、短い鍔と山形の柄頭を付けた。同じころのフランク王国の剣も、ほぼ同じ形をしている。北ヨーロッパでは片刃の大きな刃物サクスも日々帯びられた。日本では古墳から奈良の時代に、反りのない片刃の直刀に輪や瘤の形の柄頭を付けた大刀が作られ、平安の中ごろには茎と柄を一続きに作って毛抜の形の透かしを開けた毛抜形太刀が現れた。

    直刀 / 毛抜形太刀 / ヴァイキングの剣 / サクス

  3. 中世盛期

    1100–1300High Middle Ages

    ヨーロッパでは、鎖帷子を着た騎士が十字の鍔と円盤の柄頭を持つ両刃の剣を、盾と一緒に片手で振るった。先の広い片刃のファルシオンも現れる。日本では平安後期から鎌倉にかけて、刃を下にして腰に吊る、手元で深く反った太刀の姿が完成した。

    太刀 / アーミングソード / ファルシオン

  4. 中世後期

    1300–1500Late Middle Ages

    板金の鎧が広まり、ヨーロッパでは両手でも握れる長い柄の直剣が使われ、その技が剣術書に書き残された。鎧の隙間を突く細く硬いエストックと、円盤で拳を挟むロンデルダガー、ドイツ語圏の片刃のメッサーもこの時代に広まった。日本では鎌倉末から南北朝にかけて背丈に迫る大太刀が流行し、長い柄で振るう長巻や、短刀の名品も多く作られた。

    大太刀 / 長巻 / 短刀 / ロングソード / メッサー / エストック / ロンデルダガー

  5. 16世紀

    1500–160016th century

    日本は戦国の世で、刃を上にして帯に差す打刀が主流になった。ヨーロッパでは傭兵が身の丈ほどの両手剣を肩に担ぎ、刃の縁が波打つフランベルジュや、S 字の鍔の短いカッツバルゲルも帯びた。スコットランドの高地では鍔の下がった両手剣クレイモアが使われ、宮廷では細く長いレイピアによる突きの剣術が広まった。南インドでは、握りが刃と直角に通るカタールが用いられた。朝鮮の環刀は、壬辰倭乱(1592〜98年)で日本の刀と戦場で向き合った。

    打刀 / ツヴァイハンダー / フランベルジュ / クレイモア / カッツバルゲル / レイピア / 環刀 / カタール

  6. 17世紀

    1600–170017th century

    江戸の武士が、打刀と脇差を対にして差す「大小」の姿が定まった。ヨーロッパでは右手のレイピアと左手のマンゴーシュやソードブレイカーを組み合わせる剣術が盛んになり、細い刃のスティレットも帯びられた。裁判の場では先の丸い処刑人の剣が使われ、ポーランドの貴族は鳥の頭の柄頭のカラベラを下げた。中国では先だけが反る雁翎刀が使われた。中国では明の長い両手の刀とその剣術が兵書に残り、ペルシャのサファヴィー朝ではシャムシールが、インドではタルワールのほか、先の広い直刀カンダや、籠手と刀身が一体になったパタが作られた。

    脇差 / マンゴーシュ / スティレット / ソードブレイカー / 処刑人の剣 / カラベラ / 雁翎刀 / 苗刀 / シャムシール / タルワール / カンダ / パタ

  7. 18世紀

    1700–180018th century

    ヨーロッパの紳士は宮廷服の腰に細身のスモールソードを下げ、スコットランド高地では手を鉄の籠で包む剣が使われた。スコットランドの高地の男は片刃の短剣ダークを腰に差し、海では水兵と海賊が短いカトラスを振るい、清の軍隊は柳葉刀を、オスマン帝国は先の広がるキリジを用いた。朝鮮では寅の重なる時に鍛えた四寅剣が守りの剣として作られ、ジャワやバリでは波打つ刃の短剣クリスが家の宝として受け継がれた。

    スモールソード / バスケットヒルト / ダーク / カトラス / 柳葉刀 / 四寅剣 / キリジ / クリス

  8. 19世紀〜1910年代

    1800–191819th century – 1910s

    騎兵のサーベルが最も盛んに使われた時代。日本では明治に洋式の軍装が取り入れられ、日本刀の刀身を護拳のある洋式の柄と鞘に収めた軍刀が生まれ、帯刀が禁じられると杖に刀を仕込んだ仕込み杖が持ち歩かれた。清では先の広がる牛尾刀と、2本1組の胡蝶双刀が使われた。コーカサスとコサックの鍔の無いシャシュカ、バルカンのヤタガン、アラビアのジャンビーヤ、ネパールのククリ、エチオピアのショーテル、スーダンのカスカラ、サハラのタコバ、ビルマのダー、フィリピンのカンピランも、この時代の遺品が多い。このサイトでは第一次世界大戦の終わり(1918年)までを扱う。

    仕込み杖 / 明治の軍刀 / 騎兵サーベル / シャシュカ / 牛尾刀 / 胡蝶双刀 / ヤタガン / ジャンビーヤ / ショーテル / カスカラ / タコバ / ククリ / カンピラン / ダー